鳩と人間の歴史

歴史

鳩と人間とのつきあいは、人間が家や神殿などの建造物を造り始め、村落を創った新石器時代(8,000年前)までさかのぼります。人間が造った建造物が鳩達の祖先種である「カワラバト」に新たな繁殖場所を提供し、村落が広がるにつれて棲息地も広がっていきました。そして中東文明が花開いた5,000年前には、すでにきわめて一般的な街の鳥となっていたようです。

その後現代に至るまで鳩は美術作品の題材として好んでとりあげられ、文学の中にもしばしば登場するようになります。いけにえの動物として聖書に登場することなどはその典型です。日本にいつ頃持ち込まれたのかはっきりしませんが、「続日本紀」にはそれらしき記載があるそうです。「ドバト」の名前の起源は「堂鳩」といわれており、かつては神社仏閣の境内などに生息し、参拝者からの給餌によって生活していたようです。

古くから平和の象徴として人々に愛され、電話がなかった時代には伝書鳩としても働いてました。最近ではレースバトとして活躍する他、結婚式やオリンピックの開会式でも活躍しています。又、公園や広場を訪れた人たちからエサをもらいみんなに楽しみを与えるコンパニオンアニマルや情操教育としての役割もあります。

前述のように、人間の建造物を利用することで営巣箇所が大量に増えました。道路の橋脚や駅舎はもちろん、皆さんの家の屋根裏やベランダ、ベランダの洗濯機の中や室外機裏・隙間にも営巣します。ベランダや屋根裏等の人間の生活に密着した場所は、比較的暖かく、年間通しての生殖活動を可能にしました。

鳩の増える理由

鳩は保護鳥ではありませんが、野鳥になりますので、勝手に処分してはいけません。巣は取り除くしか対策はありませんが、もしすでに卵を産んでいる場合や雛がいる場合は、鳥獣保護法により、勝手に取り除くことはできません。又、取り除いたとしても鳩は帰巣本能が発達している為、再び戻ってきて同じ場所に巣を造ろうとします。

人間生活に密着することで、天敵も近寄りがたくなっています。鳩の営巣箇所があまりにも人間に近い為、天敵であるカラスもうかつに近寄ることもできません。又、カラスの生活も裕福になったせいか、鳩を捕まえることも少なくなっていると思われます。街中では、カラスが荒らした生ゴミのおこぼれを、鳩とすずめがつついて歩く光景も見られます。

公園での鳩

そして何より人間からパンくずなどの餌を与えられていることです。
高カロリーで安定した餌を食べられるので、鳩の数は順調に増えていっています。

人間生活に入り込むことで、営巣や給餌・保護され、繁殖する一方です。